紙カルテから電子カルテへ。たまった紙カルテをどうする?
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紙のカルテを使用しているクリニックの多くが、カルテを保管するスペースの不足に頭を悩ませています。特に都市部のクリニックではその課題は大きく、開業からの期間と患者数に比例してカルテ庫の空きスペースがなくなっていきます。
紙カルテから電子カルテに移行するときに必ずと言っていいほど課題となるのが、「たまった紙カルテをどうするか?」です。これには大きく分けて3つの解決策があります。
1. これ以上増やさないことを目的とする
紙カルテが「増える」ことの抑制に主眼を置く方法です。たまった紙カルテをスキャナーなどで電子化することはせずに、再診の患者さんについては紙カルテを参照しながら電子カルテに記録をし、新規の患者さんについては最初から電子カルテに記録をするというルールで診察を行います。併用期間中は業務が煩雑になりますが、時間が経つにつれて紙カルテを参照する患者さんが減り、半年~1年ほど経つと、ほとんど電子カルテのみで診療できるようになります。
『引き継いだ紙カルテは、写真や検査データがそのまま両面に糊付けされているため、スキャンをすること自体が難しく、また既に開業していたので、スキャンのためだけに人員を割くことも厳しい状態でした。そこでスキャンは断念し、ある日、ある瞬間からすべてを電子カルテのみを使用することにし、これまでの紙カルテは全て参照用にしました。幸いなことに、CLIPLA Eyeが直感的に操作できる電子カルテだったこともあり、導入時のスタッフの戸惑いも思ったより少なかったように感じました。』
ー かねこ眼科 院長 金子博行 先生の導入事例より引用
2. 再診患者のみスキャンして電子カルテに取り込む
それでもやはり、患者さんの情報は電子カルテ内で一元管理したいという場合は、来院された患者さんの分だけ(場合によっては必要な箇所だけ)をスキャンして、電子カルテに取り込むという方法があります。実際に、CLIPLAをご利用中のクリニックでその作業を行っている先生のコメントがあります。
『スキャンはスタッフと私で毎日50~70枚ずつコツコツ進めています。スキャンを始めた当初は途方もない作業に感じましたが、3か月経つ頃にはカルテ庫に空きスペースが戻ってきました。スキャナの動きは想像していたよりも速く、カルテをめくる手が追いつかないほどです。』
ー 中目黒眼科 院長 杉本由佳 先生の導入事例より引用
この方法であれば効率的に電子カルテに移行することができます。ですが、自分でスキャンをする場合はその手間がかかり、業者に委託をする場合は費用がかかることになります。
3. すべてスキャンして電子カルテに取り込む
開業してから日が浅いクリニックであれば、すべてのカルテをスキャンして電子カルテに取り込むことも可能です。CLIPLAをご利用中のユーザーさんの事例では、電子カルテ導入から約1年かけて、およそ5,000人分のカルテをすべてPDF化してCLIPLAに取り込んだクリニックがあります。時間も費用もかかりますが、スキャン後のカルテは院外の倉庫などに保管することで院内のカルテ保管スペースをゼロにすることができ、空いたスペースを診療に転用できるメリットがあります。
*注)スキャンしたカルテを原本として扱うためには、「電子署名」「タイムスタンプ」が必要など、厚生労働省がガイドラインで定めた規定に準拠する必要があります。詳しくは、厚生労働省の『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン【第5版】』をご参照ください。
紙カルテから電子カルテに乗り換えたクリニックの実例
中目黒眼科 院長 杉本由佳 先生
開業から20年間分の紙カルテ(総計約6万冊!)をデータ化した中目黒眼科については、こちらの動画で詳しくご紹介しています。実際に紙カルテをスキャンする様子もご覧いただけます。スキャン速度は想像以上かもしれません。ぜひ実際にご確認ください!
いわくら眼科 院長 植田次郎 先生
『承継するにあたって、一昨年くらいから電子カルテ導入を検討していました。(中略)いろんなメーカーの電子カルテを調べましたが、クラウドであることとオーダリングがしっかりできることを重視しました。もちろんコスト面も。当院では父と共に診察を行なっており、父が紙カルテ運用をしているため、父と一緒に運用できるシステムを考えていました。そのため紙カルテをベースにプラスアルファの形を想定していました。』
ー いわくら眼科 院長 植田次郎 先生の導入事例より引用
塚本眼科クリニック 塚本浩子 先生・塚本裕次 先生
『私たちは電子カルテを一切経験したことがありませんでした。(中略)また、検査室内に保管しているカルテが必要になった時、検査中だとすぐに取りに行けないという問題もありました。その対策として、ワンルームマンションを1部屋借りて、カルテ庫として利用することにしました。しかし、いつしかそこも満杯に。(中略)そこで初めて電子カルテを検討し始めました。』
ー 塚本眼科クリニック 院長 塚本浩子先生・診療部長 塚本裕次先生の導入事例より引用