導入事例
CASE STUDY

貴子ウィメンズクリニック

看護師長(助産師)水谷 紀子

より多くの女性に来院してもらうために
紙カルテからのIT化

導入の目的:
より多くの女性に来院してもらうために紙カルテからのIT化
導入の決め手:
ルナルナ メディコとの連携、産婦人科に特化した電子カルテ
導入後の効果:
紹介状作成・会計の時間短縮

女性による、女性のためのクリニック

 貴子ウィメンズクリニックは愛知県津島市に、2003年に開院しました。女性による、女性のためのクリニックでありたいという思いの元、特に女性の体の変化の節目である思春期・更年期・老年期を中心に、産科と婦人科の両診療科で健康面・生活面をサポートしています。
 産科では院内助産にも対応しています。アットホームな助産院と医療設備の整った病院を兼ね備えた施設で、妊婦さんが安心して出産できるよう、医師、助産師、検査技師、カイロプラクターがチームを組んで、診療やお産に取り組んでいます。婦人科では早期治療を目的としたがん検診などを中心に行っています。

より多くの女性に来院いただきたいという思いから電子カルテの検討が始まりました

 開院から15年が経過し、新たにより多くの女性に来院いただけるようにするにはどうすべきかと話し合いを始めました。当クリニックは、院長が良く話を聞いてくれるため、いつもみんなで話し合って決めます。女性にとって産婦人科は敷居が高いイメージがあると思います。その敷居を少しでも低く感じてもらうために、より気軽に利用してもらえる仕組みが必要になると考えました。話し合いを進めた結果、患者さんのちょっとした時間にスマホを使って予約や相談などができるようにすることで気軽に利用してもらえるのではという結論に至りました。
 ところがこれまで使っていた紙カルテでは、予約はできませんし、メールで相談された内容はカルテに手書きで書き写す必要がありました。これが電子カルテであれば、予約システムから直接取り込めたり、コピー&ペーストで転記をしたりできます。私たちが思い描くサービスを実現するためには電子カルテが不可欠であると考え、電子カルテの導入検討を開始しました。

貴子ウィメンズクリニック 院長 奥村貴子 先生

「ルナルナ メディコ」との連携が導入の決め手になりました

 3つのクラウド型電子カルテを比較検討しました。それぞれの会社のメリット・デメリットを出し、話し合いを行いました。3社の中でもCLIPLA Lunaは、唯一産婦人科に特化した製品で、「ルナルナ メディコ」との連携機能などが印象深かったです。新しいサービスということもあり、私たちの新しい取り組みを一緒に実現できるのではないかと思いました。
 一方で、CLIPLA Lunaには入退院管理機能がない点は懸念事項として議論になりました。
 最終的に女性に特化したサービス(ルナルナ)を提供している企業のサービスである「ルナルナ メディコ」と連携ができることがCLIPLA Luna導入の決め手になりました。CLIPLA Lunaと「ルナルナ メディコ」を導入することで、当初の目的であった女性の来院促進にもつながるのではないかと考えました。また入退院の管理については、紙カルテで対応することにしました。勿論、入退院機能があると尚よかったですが、そこは割り切って、以前同様紙カルテを引き続き使用しています。

*「ルナルナ」は株式会社エムティーアイが提供する、体調管理から妊娠・出産後・育児まで女性の一生をサポートするアプリです。2020年、1,600万ダウンロード突破(2020年11月時点)。「ルナルナ メディコ」は「ルナルナ」の記録を、患者の同意のもと医師に提示することのできるサービスです。

業務を効率化することができ、患者さんにとっても良い効果が得られました

 当初はより多くの女性に来院頂くことを目的とした電子カルテの導入でしたが、CLIPLA Lunaを導入したことで様々なシステムと連携ができ、業務を大幅に効率化することができました。
 一つ目の効果は紹介状の作成がとても簡単になりました。検査データを印刷すると、そのまま紹介状も出来上がります。生年月日、既往歴なども全て紹介状に転記される点は助かっています。紙カルテのときは、名前や住所などを一から手書きしていたので時間の使い方が変わりました。これまでは検査データを一枚一枚コピーして写していましたが、CLIPLA Lunaではクリック一回で検査データの取り込みができるのも嬉しいですね。それに加えて、「ルナルナ メディコ」で患者さんの経過が見られるので、紹介状が書きやすくなりました。不妊で来られた方、月経不順で来られた方は絶対「ルナルナ メディコ」を見ています。生理日等をいちいち聞かなくとも把握することができます。導入前は紙で書かれていたものを見たり、書き写したりしていましたが、今では基礎体温表も含めて過去分から一度で確認することができて本当に楽になりました。「ルナルナ」を利用されていない患者さんにもオススメして、ほぼ全員に利用していただいています。
 二つ目の効果は患者さんに対するメリットです。これまでの紙カルテの場合、すぐに紹介状が欲しいと言われても1~2日お待たせしてしまうことがありました。CLIPLA Luna導入後は診察時から紹介状を書き始めて患者さんが帰るときにお渡しできることが増えています。他にも、患者さんへの効果ではCLIPLA Lunaで胎内の赤ちゃんについて「頭が上ですよ」など身体の向きを見せながら説明できる点が良かったと考えています。とても分かりやすいと言っていただけることもありました。またHPにメールで質問を送信できるページを設置し、その内容をそのままカルテに記載できるようになり、メール相談から来院いただいていることをCLIPLA Lunaを通じてスタッフ間で共有できるようにもなりました。
 三つ目の効果は患者さんの会計待ち時間の短縮です。診療側でコスト入力と処方箋出力ができるようになり、人件費の削減にもつながりました。例えば妊婦健診の時は助産師がコスト入力まで行い、事務員がチェック、あとは自動精算機で対応できます。他の電子カルテではそれができませんでした。CLIPLA Luna導入前は、事務員が産科の検査項目を助産師に確認する作業に追われて大変でした。そこの部分の短縮ができただけでも導入の価値があったと考えています。以前は産科・婦人科の患者さんの会計タイミングが重なると30~40分お待たせしてしまうこともありましたが、それが今では10~15分くらいにまで大幅に短縮できました。

紙カルテからの切り替え時は過去の病名・治療歴のサマリ入力に苦労しました

 過去の病名・治療歴の拾い上げとCLIPLA Lunaのサマリへの入力が最初は大変でした。病名はレセコンから移行できるのですがいつどんな病気・治療をして、どのように経過を見ているか一覧ですぐに判断できるようにそれを拾い上げてサマリを入力する作業が必要でした。看護師が空いている時間や多少の残業をしながら入力していきました。患者さんが来て、過去の既往があるか、どんな主訴があったか、紙カルテから情報収集していました。導入から2年が経ち紙カルテも少なくなってきましたが、たまにそのような作業が発生することもあります。ただ紙カルテからの移行の際、操作を覚えること自体は大変ではありませんでした。

印刷対象の選択と、過去カルテの一覧表示ができるようになることを期待しています

 産科については印刷対象を選べるようなることを期待します。最近追加された機能で、感染症初期検査の結果が入力できるようになりました。せっかく入力できるようになったので、今後印刷までできるように期待したい部分です。また妊婦健診の編集で、赤ちゃんの全身チェックを印刷できると紹介状の中に入れ込みやすいので、印刷する項目を選べるようになればさらに良いと思います。ただ全体的には、使いやすくなってきている印象です。
 婦人科の部分で今後期待することは、過去カルテの閲覧についてです。現状は日ごとに過去カルテを開く必要があるので、長く来院されている患者さんのカルテの閲覧に時間が掛かることがあります。印刷プレビューのような形で過去カルテが見られるようになると助かります。また肝機能など、数値データで出るものはダウンロードして取り込めますが、画像で検査結果が出るものは紙で取り込んでいるので、今後どうなるのか気になっています。例えば細胞診、病理の検査結果など画像で送られてきたものは、現状紙データをスキャンして取り込み対応しています。

CLIPLA LunaはPCが苦手な先生にもおすすめできます!

 患者さんにとっても前向きに治療ができていますし、スタッフにとっても良い影響がありました。今ではCLIPLA Lunaがないと治療ができないような状況になっており、一つのツールとして大切なものになっています。検討されている先生も導入したら効果を実感できると思います。当クリニックにはPCが苦手なスタッフもいますが、それでも使えているのでPC操作が苦手な先生でも大丈夫だと思います。スタッフの年齢は40~50代が多いですが、利用していく中でそこまで大変さは感じませんでした。年齢層が高いクリニックでも大丈夫だと思います!

電子カルテ以外にも様々なことを取り入れています!

 昔からの患者さんが来院されると、常に新しいことにチャレンジされていますねと言われます(笑)。自動精算機も導入しました。また患者さんの呼び出しもこれまでマイクを使っていましたが、プライバシーに配慮し順番管理システムを導入することで、待合から中に入るまで人を介さずに済むようにしました。冷たく感じてしまうかもしれないという不安もあったのですが、患者さんからもご好評いただいています。
 院長が、女性に快適に通っていただくにはどうすれば良いか常日頃から考え、新しいことを取り入れています。一方で患者さん個別の対応もしていて、年配の方の場合は紙カルテで対応することもあります。院長も最初は迷っていましたが、新しい取り組みに順応しようと努力するスタッフが多く、助けられています。

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