導入事例
CASE STUDY

ゆりレディースクリニック

院長佐々木 由梨先生

無床の産婦人科クリニックは
紹介状が書きやすいCLIPLA Lunaで

産婦人科の医療過疎である埼玉県で

 2020年7月に埼玉県さいたま市浦和区のメディカルモール新都心に「ゆりレディースクリニック」を開院しました。さいたま市岩槻区で父が整形外科の病院を開業しており、その分院として開院しました。高校時代、私は獣医師を志していましたが、残念ながら縁がなく、父の勧めで医師の道に進みました。父は整形外科を継いでほしかったと思いますが、研修医時代に熱心に指導してくださった恩師の影響もあり、産婦人科医となりました。
 開業のきっかけは、父からの提案です。それまでは開業を考えていませんでしたが、自身が目指す医療で患者さんの健康管理に貢献したい、そして父へ恩返ししたいという思いから開業を決意しました。埼玉県は医療過疎地とも呼ばれ、特に産科は状況が逼迫しており、胎児の心拍が確認できたらすぐに分娩の予約を取らないと希望の施設でお産ができないような状況となっています。そうした地域で、少しでも安心してお産をしていただけるように、また、今まで私が婦人科、産科問わず勤務医として研鑽した知識や技術を生かして、地域の女性のために質にこだわった医療の提供を目指したいと考えています。

CLIPLA Lunaは紹介状の作成がとにかく楽です

 開院を決意してから、4~5年の準備期間があったので、電子カルテの検討はかなり時間をかけました。カルテ選びで重要視したのは①PACSやその他の医療機器との連携性、②コスト、③カルテの見た目(配置やフォント)です。オンプレミス・クラウド問わず10社近くデモやお見積りをしましたが、オンプレミスの電子カルテはやはり値段が高くなってしまいます。また、産婦人科に特化した電子カルテや外部システムは魅力的ではありましたが、分娩までは行わない当院には不要な機能も多く、コストをかけてまで導入する気にはなれませんでした。そんな中、唯一CLIPLA Lunaが私の希望を全て満たす電子カルテだったので導入を決めました。CLIPLA Lunaの妊婦健診管理機能は、妊婦健診の記録が一画面で見やすいだけでなく、妊婦さんの紹介状を書くのがとても楽です。ある程度の情報をサマライズして紹介状を作成し、妊婦健診管理一覧を印刷すれば、当院での経過をもれなく紹介先にお伝えすることができます。
 当院のユニークなCLIPLA Lunaの使い方としては、妊婦健診管理一覧を毎回、患者さんにカラー印刷してお渡ししています。当院は、2つの医療機関と連携してセミオープンシステムで妊婦健診を行っているため、万が一、当院かかりつけの患者さんが紹介状なしで緊急受診した際も、当院での経過を把握していただきやすいのではと思っています。また、CLIPLA Lunaには、臨床所見以外にも、毎回撮影している4Dエコーの写真や成長曲線も記載されているので、患者さんにもわが子の記録として大変喜んでいただいています。診療内容を医師のみが把握するのではなく、患者さんにそのままお伝えすることで医療の透明性の確保にも繋げたいと考えています。

予想以上に便利な「ルナルナ メディコ」連携

 当初は不要かと思っていましたが、「ルナルナ メディコ」が予想以上に便利です。今の時代、ほとんどの患者さんがアプリで月経や基礎体温の記録をつけています。数あるアプリの中でもルナルナを利用している方が多く、医師が「ルナルナ メディコ」を通して記録にアクセスすることができます。はじめに「ルナルナ」で発行した番号をカルテに登録すれば、次回以降は患者さんの過去の月経歴や月経周期をすぐに確認できます。問診の場合、最終月経はすぐにお答えいただけるのですが、その前の月経歴となると「???」となり詳細な情報を取るのに苦労します。問診の時間を短縮し、その分患者さんとコミュニケーションをとる時間に当てられればいいですね。現在紙媒体で記録をしている方には、「ルナルナ」をお薦めしています。

*「ルナルナ」は株式会社エムティーアイが提供する、体調管理から妊娠・出産後・育児まで女性の一生をサポートするアプリです。2020年、1,600万ダウンロード突破!(2020年11月時点)「ルナルナ メディコ」は「ルナルナ」の記録を、患者の同意のもと医師に提示することのできる機能です。

機械ができることは機械で。人はホスピタリティを

 開院の準備で重要視していたことの1つは効率性でした。「機械ができることは機械で」の考えを導入することでスタッフに余裕が生まれ、仕事の質が向上するのではないかと考えました。また開業の数カ月前から、新型コロナウイルス感染拡大が深刻さを増し、Web予約やWeb問診、順番管理システム、自動精算機の導入が、感染予防にも繋がったことは良かったと思っています。当院では、初診の患者さんも再診の患者さんもWebで予約し、事前にWeb問診に答えてもらいます。スマホをお持ちでない方は院内でタブレット端末をお渡しして、そこで回答していただきます。タブレット操作に慣れないご高齢の方でも、スタッフが補助しますので、今のところ100%Web問診で運用しています。順番待ちシステムは、待合にも表示がありますが、自身のスマホでも待ち時間が分かるようになっていますので、院外でお待ちいただくことも可能です。また、会計は診察室でシュライバーが入力作業をするスタイルなので、診察室を出たらすぐに自動精算機で会計ができるようにしています。患者さんと向き合った診療を心がけるとどうしても時間がかかってしまうので、できる限りお待たせする時間が少なくなるような運用を日々模索しています。
 一方で、人にしかできない、やさしさやあたたかさもとても大切に考えています。一つの工夫として、当院では受付と医療事務を完全に分けています。医療事務は患者さんから見えないスタッフ動線に配置しました。受付スタッフは接遇に徹することができるよう、会計は自動精算機に任せ、電話対応は医療事務が行います。幸い優秀なスタッフにも恵まれ、このシステムがうまく機能していると思っています。クリニックに来る患者さんは何かしらの不安を抱えていますので、その不安を軽くして、少しでも安心してお帰りいただくのが理想です。しかし医師は、患者さんにとって受け入れがたい情報をお伝えしなければならないこともあります。そんな時こそ、クリニックを出るまで丁寧に対応するという雰囲気が大切だと考えています。

是非、お使いいただくと良いと思います

 CLIPLA Lunaをご検討される先生は、無床のクリニックで、分娩は扱わないけれども妊婦健診は実施する産婦人科だと思います。CLIPLA Lunaでしたら妊婦健診の記録が一画面で確認できるだけでなく、紹介状を書くのがとても楽ですので、お薦めします。
 現在、要望を出している機能はいくつかあるのですが、予定日から逆算して現在の週数を出す機能*があると嬉しいですね。当院ではセミオープンシステムを採用しており、分娩施設で出産予定日の修正をされることも多々あるので、この機能があれば大変助かります。これからCLIPLA Lunaを導入される先生が増えれば、多くの意見が集まりますのでより一層進化した使いやすい電子カルテになっていくことを期待しています。

* 2020年11月取材、12月末実装済み     

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